米津玄師 「サンタマリア」

1stシングル。
だいぶ前のシングル・ドロップですが、以降かなり聴きました。つかこれ、ちょっと凄い名曲だと思います。何回聴いても目が潤みます。
「面会室の恋人たち」という寓話性と、普遍的なテーマ性を両立させた詩作の達成。バラードとしての美しさ、ロックとしてのカタルシスが炸裂するメロディの喚起力。ヴォーカリストとしての魅力とオリジナリティは確立されているし、ストリングスを取り入れたバンドサウンドという新機軸も、この楽曲のまっすぐさ、清々しさを、王道を行くスケールで伝えています。

ここは面会室 仙人掌は未だ咲かない 硝子は崩れない
そんな中で一本の蝋燭が 確かに灯り続ける
あなたを見つめ あなたに見つめられ
信じることを やめられないように

『diorama』にもせつなかったり微笑ましかったりの愛の風景はありましたが、こうまで普遍的で感動的なラヴソングが出てくるとはちょっと予想できませんでした。次のアルバムのピークを担う楽曲と思いますが、これも含めてどんな作品になるか、ちょっと空恐ろしいような気もする、やはり破格の才能です。
c/wは「百鬼夜行」「笛吹けども踊らず」、こちらはいかにもこの人らしいチャカチャカとしたケレンとギミックたっぷりの曲。でも「サンタマリア」聴いてからだと、正直余韻にもならんかった。

サンタマリア(初回限定盤)(DVD付)

サンタマリア(初回限定盤)(DVD付)