岡嶋二人『ダブルダウン』講談社文庫

ネタバレ注意。
ボクシングの試合中に、対戦していた二人のボクサーが共に毒殺される、という発端の長編。
…発端は魅力的だったのだが。
先に解説に目通してたら、井上夢人による「穴を掘って埋めてしまいたくなるような作品」なんて自作評があって。先入観とダダ下がりのテンションをもって読み進めることとなったのですが。
まあ、確かにこれは酷いね。完成度やツッコミ所云々以前に、何をやりたかったんだかまるで分からず、ミステリとして体を成していない。さすがのリーダビリティも逆に哀しい。『タイトルマッチ』二匹目の泥鰌、得意のボクシング題材に、なんとかやっつけようと思ったんだろうけど…。
合作体制の末期において、その崩壊を理解させるに充分な出来でした。
評価はC−。

ダブルダウン (講談社文庫)

ダブルダウン (講談社文庫)