永瀬隼介『ポリスマン』幻冬舎文庫

ネタバレ注意。
警察小説だとばっかり思ってたらプロレス小説だったw ミステリぽかったらなんでも買ってたあの日の俺にさよなら。
さて、ボクシング以外の格闘技に一切の興味がない僕ですが。「ポリスマン」てのはプロレス界における「陰の実力者」みたいな存在で、普段は目立たないんだけど、過度に調子こいたりルールを逸脱したレスラをガチで懲らしめるのが仕事なんだってさ。
で、その「ポリスマン」である主人公はそれなりにかっこよく書けてるんだけど、ラスボス的存在として国際冒険小説的要素と共に絡んでくる、最強の元アマレスチャンピオンのロシア人を始めとして、ミステリとしてもスポーツ小説としても、周辺の掘り下げが浅すぎる。アフガニスタン侵攻であったり、社会派要素でスケール拡張しようとしたけど、底の浅さとエピソードの安さだけが印象に残る。人物の繋がりも、そこから派生する物語も、必然性が不明。
こんなんなら、「プロレス」と「総合」の内輪ネタだけ読ませてくれた方がよかったな。
評価はC。

ポリスマン (幻冬舎文庫)

ポリスマン (幻冬舎文庫)