P.コーンウェル／相原真理子（訳）『検屍官』講談社文庫

ネタバレ一応注意。
こちらも何故か本棚にあった、ケイ・スカーペッタシリーズの第一作。
ミステリとしての構築性に取りたてて際立つものはないけれど、一般的なクライム・ノヴェルとしては、主人公中心とした登場人物の造形、ロマンス要素とその本筋への絡ませ方、巧いと思える部分はありました。
専門だからか、バランスを崩して詳細なプログラミング関係のディテールの他は、最大公約数的な「面白さ」を志向して、ある程度成功した小説と見えました。売れても不思議ではないでしょうが、俺は追いかけようとは思いません。
死体現象・検死のディテールはもっと読みたかった気がするけれど。
評価はＣ。

検屍官 (講談社文庫)