ダ・ヴィンチ編集部(編)『秘密。 私と私のあいだの十二話』メディアファクトリー

ネタバレ特になし。
ダ・ヴィンチ」連載、十二人の作家によるアンソロジー
趣向としては一つの出来事・場面を、視点を変えた二つの掌編で描く、というもの。
伊坂幸太郎三浦しをん吉田修一森絵都、ミステリ畑からは有栖川有栖北村薫。人気作家を並べた、「ダ・ヴィンチ」っぽいミーハーなラインナップですが、主に長さの制約から窮屈になってしまっている作品が多く、あまり楽しめませんでした。というか、あまり掌編に適した作家はいませんよね。井上雅彦とかに書かせりゃよかったんに。
唯一よかったのは小川洋子、「電話アーティストの甥/電話アーティストの恋人」。ネタ、文章共に、端正でありつつもどこかすっとぼけたような独特の魅力が、この形式においても発揮されていると思います。
評価はC+。