羽海野チカ「3月のライオン 4」白泉社ジェッツコミックス

今回は「画」。
いつもはモノローグ周りのコピーライティングに感動することが多いのだけど、今回は問答無用。研究会の面々の顔芸は置いておいても、《いつまでも来ないと/もう知らないからねっ》のひなの膨れっ面とか、《あの女誰!?》のひなモモとか、あと藤本棋竜は置いておいて。シリアス周辺では《どっちが悪夢か/とことん味わってやろうじゃないか》《「生きてる」って気がするぜぇ》の島田さんは案の定あり得ないかっこよさだし、宗谷名人の《美しかったのに………》も美しく味わい深い。
ハイライトはそのシリアス周辺だと思うのだけど、僕がもっとも感動して涙腺を決壊させたのは、島田さんの故郷の駅の情景でした。天童駅…冷静に考えればそんな顔歪めて泣くようなシーンでもないので、個人的な感慨もそこには含まれていたのかもしれません。別に天童関係ないけど俺w
そんな山形の誇り、島田八段のタイトル戦を中心としたこの巻、そこから零が受け取った覚悟の重さが、珠玉の画とコピーライティングと共に、圧倒的な説得力をもって響く、血で描いたような漫画作品となっておりました。

3月のライオン 4 (ヤングアニマルコミックス)

3月のライオン 4 (ヤングアニマルコミックス)