牧野修『呪禁捜査官』祥伝社文庫

ネタバレ一応注意。
表紙には「長編ハイパー伝奇」って書いてあるけど、伝奇か？コレ。俺は単に「オカルトSF」だと思ったけど。
科学とオカルトの立場が逆転した未来世界、オカルト犯罪の取締官、「呪禁捜査官」の養成学校が主な舞台。「学園モノ」の空気も色濃く、もっとハードなSFかと思ってたら案外に爽やかな青春モノだったので驚きました。
ただ、それは良い意味ではなく「期待を裏切られた」感もあったし、世界観とそのディテールに筆力を感じはしても、キャラクタ造形やストーリィ展開がなべて唐突に感じられ、のめり込むことはできませんでした。最たるものが主人公の「ギア」くんで、最後までこいつがどういう人格なのか分からなかった。
シリーズ作品があるみたいで、そうした部分はこれからなのかも、と思ってもみるけど、もう手に取ることはないでしょうね。
評価はＣ。

呪禁捜査官―訓練生ギア (祥伝社文庫)