M.エルンスト/巖谷國士(訳)『百頭女』河出文庫

ネタバレ特になし。
これがウワサの、ということでやっとこ読みました。存在自体は高校生の頃から知っていた『百頭女』。
基本的にはシュールレアリスムのコラージュ画に、警句じみた短文が付記されてる作品で、確かにそれぞれ不穏で謎めいていていい雰囲気です。
ただ、そこに何か求め得る意味とか、深い感興があるかと言われればそれはまったくありませんでした。「ふーん、こういうものね」的な。中学生の頃に読んでたら、狂喜乱舞してカブれてたかもしれませんけれど。もはやアンドレ・ブルトンのまったく意味の分からない前文から、若干というかだいぶヒいていました。
そういや大学に入りたての頃、同じクラスだったコが薦めてくれたなあ…あの入学当初の探り合いの浮ついた空気の中で。何を見込んでくれたのだろうか。結局頭の数カ月しか交流のなかったあのコ、元気かしら。
評価はC。

百頭女 (河出文庫)

百頭女 (河出文庫)