島田雅彦『浮く女沈む男』朝日文庫

ネタバレ特になし。
関係ないけど島田雅彦志村正彦は似ている。語感のみならず白皙系優男だし、二人とも。
さて、こちらは豪華客船が独立国家になるお話。こういうお話、好きです。
突拍子もないストーリィに、いつもの軽い文体だけど、小説としては骨太に成立しているのは手腕だと思いました。いわゆる「純文学」の漫然よりは、こういうエンタテインメントの要素をまじえた小説を好みます。奥泉光とかさ、ああいうの。
細部の、あるいは根幹の暗示や寓意はだからどうでもよかったのです。読者失格なのかもしれないけど、でも解説の小谷真理の、相も変らぬ、すべてをフェミニズムに帰す我道一直線なんか、どうも的を外してる気がしてしょうがなくて。
評価はB−。

浮く女 沈む男 (朝日文庫)

浮く女 沈む男 (朝日文庫)