大沢在昌『ウォームハート コールドボディ』講談社文庫

ネタバレ注意。
交通事故死した主人公が、謎の新薬の実験体にされ、不死の身体を得て蘇る、というストーリィ。
裏表紙梗概には≪感動のハードボイルド≫なんて書かれてるけど、間違いなくハードボイルドではないw SFか、それに近接したファンタジィであろう。
全体的になんかヌルい小説だなあというのが正直なところ。大沢センセイにSF的なディテールや考証を求めている読者なんていないと思うし、その点の不足は瑕疵ではない。敵役の設定なんかもベタベタでつまらないなあ、なんてことを思ったんだけど、そういうとこも含めて結局ファンタジィ的なんだと思う。
ただそうしてもなお受け入れ難いのは、主人公の男の変にピュアな造形。ぶっちゃけた話、気持ち悪かった。
評価はC。