ネタバレ特になし。
道玄坂のブルース・バーに集う人々を描いた、青春小説でもあるし、ビルドゥングス・ロマンでもあるし、アウトロー小説としても読める。あと官能描写はやはりエロい。
ただやはり、これはなんといっても「音楽小説」だろう。『ゴッド・ブレイス物語』のバンドが再登場し、新たなディーヴァを加えつつ奏でられるこの小説には、作者が繰り返しモチーフにするだけの必然性と、説得力を宿したブルースが鳴っている。
卓越した文章だけでなく、ディテールの配置のセンスにも多くを拠っているが。残念ながらロックの分野で、こうかっこいい小説読んだことないな。
評価はB。
- 作者: 花村萬月
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1994/03/18
- メディア: 文庫
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