ネタバレ注意。
今回はちゃんと事件も解決されて良かったと思います。不可思議な事象に対する思考と、そこから導かれる解決があって。似た構造の『η』の事件も芋蔓式に…とはいかなかったけど、それはシリーズ・クライマックスでどうにかなるのか、あまり期待をせずに待ちましょう。しばらくGシリーズも出てないし。
そう言えば『τ』の時に小早川さんが言ってた、「森博嗣のシリーズ3作目」に見られる「ある傾向」に関して、今回はドツボでしたね。さすがです。『τ』はミスディレクションだったんだな。むしろ『λ』だったからな…ってネタバレだ。
森小説としては、142pあたりの会話が面白かったな。いかにもだけど、普通は逆に語るだろう。あとは意表をついたロマンティックな比喩とか。
三澤家を出たとき、小川は目が痛かった。おまけに、汗をかいている自分にびっくりした。振り返って、ゲートを見た。そこから、今にも怪物が飛び出してきそうな気がした。怪物というのは、化け物ではない。ナイフを持った女でもない。白くぼんやりと輝く天使のようなものに近かった。
(268p)
評価はB−。
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/01/11
- メディア: 新書
- 購入: 1人 クリック: 71回
- この商品を含むブログ (129件) を見る