赤江瀑『ニジンスキーの手』ハルキ文庫

ネタバレ一応注意。
で、連続で読んだこちらは短編集。小説手法は変わらず、情念と美が、ある芸術、あるいは芸術作品を中心に結びつく、プロットの妙を伴う耽美小説。
皆川博子の短編とか、初期、あるいは歌舞伎シリーズの近藤史恵など、俺のフェイバリットに多い作風だが、その最もラディカルな形なのではないかと思った。現代舞踏とか能とか、材の採り方がいちいちプロットにハマってる。
ベストは「獣林寺妖変」。「血天井」っておどろおどろしいガジェットがとても素敵よ。
評価はB+。

ニジンスキーの手 (ハルキ文庫)

ニジンスキーの手 (ハルキ文庫)