赤江瀑/東雅夫(編)『天上天下 赤江瀑アラベスク1』創元推理文庫

ネタバレ一応注意。

三中長編+エッセィのコレクション。

「海峡―この水の無明の眞秀ろば」は、断片的なイメージにキレがあってよかった。狂気の夢幻。「星踊る綺羅の鳴く川」はほとんど戯曲で、ベースにある歌舞伎という芸術の底知れなさも覗かれるが、全体としてはなかなか味わいきることの難しい、アヴァンギャルドな作品。その分「上空の城」はテーマ、イメージ、悲劇性が分かりやすくて一番愉しめたかな。

でも真髄は、「星踊る~」なんだろうな、と思う。

評価はC+。