GRAPEVINE 『From a smalltown』

バイン・リバイバル発現中。
去年ダイアモンドで対バン観てから、とにかくもう、一刻も早くライヴが観たくて仕方がない。JAPANで誰かが彼らを「黒光り」と評していだけどまさにソレ。その感じ。ギターロックとブルースと、メロウネスとセンチメントと、静かな内省と前衛的な攻撃性、なんだかもうわけが分からないそういったものが渾然一体となった、唯一無二の輝かしい混沌。
音源の聴き方が変わった。今まで俺は、「光について」「それでも」「アナザーワールド」といった結局メロウでセンチメンタルな美メロばかり好んで聴いていたのだけれど(「here」あたりはやや違うが)、このアルバムに関しては、ライヴでの「ヤバさ」を期待して興奮するようになった。そしてそれは、一般的なバンドに想起される類の「アンセム」とはまた一味違う。「スレドニ・ヴァシュター」*1あたりは、未音源化の時点でもはや定番と化していたし、「FORGE MASTER」なんて物凄く盛り上がるだろうけど、最も期待をおぼえるのは「ママ」と最終曲「Juxtaposed」。こないだ一番ヤバかったのは「マリーのサウンドトラック」だった。こうした静謐な楽曲に不穏なサイケデリアを炸裂させるのが、このバンドの真骨頂ではないかと思う。
そんな濃密な対峙に疲れたら、「smalltown,superhero」や「指先」「棘に毒」を聴く。ミディアムチューンの完成度もやはり超一流。
大きなお世話だけど、ロックを好きな人なら、今のバインは絶対観ておくべきだと思う。

From a smalltown(初回限定盤)(DVD付) [Limited Edition]

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*1:タイトルはサキからか。かっけー。