ネタバレ一応注意。
『MAZE』にも出てた(らしい。確かに読んだハズだが作品の記憶がまったくない)神原恵弥を主人公に、函館丸出しの「H市」を巡る、恩田流のトラベル・ミステリ。
高校時代のGLAYが演ってたらしいハコ見に行ったことしか憶えてないけどw、中学の修学旅行で行ったこともある函館の町は、なかなか魅力的に描けていると思う。クレバで、トランス・ジェンダな恵弥のキャラクタもいいアクセントになってる。ミステリ、あるいは冒険小説的なプロットの部分に関しては、最近の恩田作品に共通する「イメージ先行の脆弱性」が見えるが、リーダビリティがしっかりしているので読まされてしまうんだなあ…。
たまに顔を出す社会批評みたいな文章がダサいのでそこは減点。
作品の評価はB−。
- 作者: 恩田陸
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2006/12
- メディア: 文庫
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あ、なんかに似てると思ったらあれだ、『羊をめぐる冒険』に似てる。既読の春樹んなかで一番好きだし、だから印象良かったんだな…。