『落下の解剖学』

@サロンシネマ

フランスの山荘での墜死事件をめぐる法廷サスペンス。

アカデミー脚本賞の前評判ゆえか、満員札止めのサロンシネマ。もっとこう、ケレンとかどんでん返しのあるミステリ作品かと思っていたけど、一つの墜死、一つの家族だけにフォーカスしてじっくり描かれる、本格的にドメスティックな心理劇で、このネタだけで二時間半を観させるのは確かになかなかの力技だと思った。

主演の女優さんは基本的に抑制の効いた滋味のある仕事ぶりだったけど、夫婦ゲンカでブチギレのシーンだけは箍が外れたように生き生きとしていて、そこが一番魅力的でした。