『ジョジョ・ラビット』

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第二次大戦末期のベルリン、ヒトラー・ユーゲントから落ちこぼれた10歳の少年・ジョジョと、彼の家に匿われたユダヤ人の少女・エルサの交流を描くコメディ・ドラマ。

評判の通り、とても良い映画でした。現在の社会情勢もあいまって、無邪気に愉しむというわけにはいかない題材(…になってしまった)だけど、一抹の切なさの混じったポジティブなあたたかさに胸が浸される、優れてヒューマンなコメディです。

序盤、ああちょっとユルいかなと思わせておいて、中盤以降どんどん緊密になっていく物語と演出。コメディとしての可笑しみと、悲劇性と批評性のコントラスト。ボーイ・ミーツ・ガールの王道感とカタルシス

キャラクタたちは脇役まで含めて愛すべき存在で、また美術と音楽も素晴らしい。観終わればこの映画を構成するすべてが愛おしく思えてくる、名画の条件を備えた傑作。トーマシン・マッケンジーに容易くヤラレました。