村上春樹『雨天炎天 ギリシャ・トルコ辺境紀行』新潮文庫

ネタバレ特になし。

紀行エッセィ、ギリシャ正教の聖地・アトス行脚と、トルコ一周の二本立て。

(だいたいにおいて、そこには何に適したテーブルもない)。
(184p)

春樹一流の、ほのかにユーモラスで、端整な文章で綴られる紀行文がつまらないわけはないのだけど、特にアトス編。そこで出逢う事物人物が小説家のクリエイティヴィティを刺激しているのが伝わってきて、トルコ編のデンジャラスな状況よりよほどスリリングでした。

評価はB-。