伊吹有喜『犬がいた季節』双葉社

ネタバレ注意。

四日市の高校を舞台に、昭和から平成に移りゆく時代と共に描かれる青春群像小説。

うーんまあ、読んでられないってほどではないけど、感心するポイントはほとんどなかったな。スベってるところが目につきはしたけど。せっかく入れた犬の視点も、丁寧語の犬キャラってのは使い古されてるのもあって全然生きてないし、最終話も完全に蛇足だと思った。こないだもあったけど、こういうのは仄かに匂わすぐらいがせつなくていいんだと思うんだけど、なんでこう何から何まで書いちゃうのかな…「ニュー・シネマ・パラダイス完全版現象」、忌み嫌っていきたいところ。

サブカルなんかの時代風俗入れて共感演出してるけど、ラブホテルの地下にライヴハウスとか、ジャンプマンガの同時代性とか、なんか違和感のある描写もあって、ちょっと後輩ながらも一応同時代に引っ掛かってる僕にとっては逆効果でもありました。

評価はC。

犬がいた季節

犬がいた季節

  • 作者:伊吹 有喜
  • 発売日: 2020/10/14
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)