ネタバレ注意。
アンリ・ルソーの未発表作をめぐるアート・ミステリ。
やっぱ題材に対する興味があるので、引っ張られるよね。題材の魅力の割には、作中作もその外側でのドラマも、ストーリィ性やプロットの驚きに乏しい印象はあって(ムリヤリドタバタしてた『ゲルニカ』よりマシだけど)、読まされてはいるけど常にどこか物足りない感じがつきまとった。
しかしラストに至って、再会の場面がとても素敵だったので救われました。署名の謎も、そうくるか!て感じでした。アナグラムネタで感心したの初めてかもしれない…。ただ欲を言えば、ラストにティムの視点は要らなかった気がする。その方が、そこに至るまでと綺麗な対称を描いて、ティムと織江のロマンスが成就した気がするな。
評価はB。
- 作者:原田 マハ
- 発売日: 2014/06/27
- メディア: 文庫