ネタバレ一応注意。
学校をサボり、財布から抜くどころか、母親の着物を売り払ってまで映画館に入り浸っていた「不良少年」時代を回顧する、シネマ・エッセィ。
取り上げられる映画はさすがに古過ぎて興味が湧かず、大半を占めるあらすじ紹介は斜め読みにしてしまったし、また筒井少年のサイコパスっぷりにも引いてしまった。だけどオリジナル・フィルムの散逸もあるみたいだし、キネ旬の評や戦後すぐの映画評など、こうしてひとかどの作家が時代史料として書き残す価値はあるのだと思う。作品の供給が追い付かず、《耳の外科治療の医学映画をいかにもお産の映画みたいな宣伝で上映》(258p)していた、なんて証言は笑える上に貴重だし。
しかし問答無用で笑ってしまったのは、筒井少年が映画館の二階で映画観ながら自慰行為をはたらいて、下の階に飛ばしてたって最低のエピソードだったな…何年か前にTwitter炎上させてたのも精液ネタだったし…好きだねどうも。
評価はC。
- 作者: 筒井康隆
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1985/10/25
- メディア: 文庫
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