桜庭一樹『赤×ピンク』角川文庫

ネタバレ一応注意。
アンダーグラウンドキャットファイト・ショウで戦う少女たちの群像劇。
ファミ通文庫初版のラノベなのだけど、地の文含めた小説としての基礎体力は高いと思う。キャラクタ/ドラマの作りに短絡的な部分は見受けられるけど、少女たちのそれぞれリングに立つモチベーションを描き分け、その熱量に説得力を持たせる、なかなかに見事な手腕が発揮されてもいる。特にミーコの章、対峙する二人が切実にお互いを求め合い、信頼し合う描写とか、さすがだと思った。
まあ、ボクシング以外の格闘技にまったく興味のない人なので、ところどころでの総合ネタとか食い付けずに、いい読者ではありませんでしたが…。
評価はC+。

赤×ピンク (角川文庫)

赤×ピンク (角川文庫)