多島斗志之『CIA桂離宮作戦』徳間文庫

ネタバレ注意。
気候改造を狙うソ連の陰謀を、CIAと内閣情報調査室がタッグを組んで阻止しようとする、国際謀略小説。
最初はえらくスケールの大きい、マクロな謀略から始まって、それを破綻させるためにえらくせせこましい、ミクロな罠とそこからの丁々発止が桂離宮を舞台に展開し、それがさらにどんでん返されて、正統派スパイ小説的コン・ゲームがシンガポールで繰り広げられる、と、なかなかダイナミックにドライヴする物語に翻弄されます。物語それぞれのフェイズで読み応えがあり、安心して浸れるエンタメです。
でもこの作家、巧いのにタイトルは下手だよな…。
評価はC+。

CIA桂離宮作戦 (徳間文庫)

CIA桂離宮作戦 (徳間文庫)