井上雅彦『1001秒の恐怖映画』創元推理文庫

ネタバレ一応注意。
ホラー・ショートショート集。
ホラー映画のクラシックを題材にして、ネタ元の改題やスチール写真も充実した、半コラム集と言える内容。作者のフリークぶりが伝わって好ましくはあるが、ショートショート集としては元ネタに対する素養も嗜好もなくて、味わいきれなかった感じ。
「フェイマス・スター」なんかは心温まるセンチメントがあってよかったけど、こういう作風はこれだけだったな。あとキャロライン・マンローについては、スチール一枚だけでも作者が吐露するところの過度の思い入れが説得力をもって伝わったので、ちょっと追ってみたいと思いました。
評価はC+。