黒川博行『キャッツアイころがった』創元推理文庫

ネタバレ一応注意。
府警一課…ではなく、その視点も交えつつ、女子美大生の二人組を主役に、関西一円に連続する殺人事件、その現場に残されるキャッツアイの謎を探るミステリ。
主役がJDコンビになって、今までのシリーズに輪を掛けて軽いノリだけど、エンタテインメント・ミステリとしては充実した佳作。プロットはしっかり練られた本格的なものだし、インドの紀行趣味もあり、捜査パートも読み応えあり、宝石ブローカのギョーカイ内幕としても、地方の美大の学生生活にしても知見(?)があり、と多方面に目配りされた内容。
軽やかで、かつ堅実な、作家のジツリキを味わうことができます。
評価はB−。

キャッツアイころがった (創元推理文庫)

キャッツアイころがった (創元推理文庫)