ネタバレ一応注意。
本所深川*1の岡っ引き、茂七親分の捕物帖。
いたってスムーズな物語の運び、ごく自然に好感の持てる人物造形、そして心地いい江戸情緒。手練の時代小説世界に安心して浸れます。稲荷寿司屋や拝み屋の子供など、連作として深まっていきそうな要素の引き出しも心憎いばかりです。
連作のうちで個人的なベストは「鰹千両」でした。こういう、プロットだけ取り出したらベッタベタな人情噺を、こうも爽やかに読ませるってのはさすがよね。
評価はB。
- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2013/07/17
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (13件) を見る
*1:って、未だにこの単語がいずこを指すのか認識していないのだけど。