小林泰三『奇憶』祥伝社文庫

ネタバレ一応注意。
幼少時の記憶と、並行世界をネタにした中編ホラー。
…なんて書くと観念的な内容が想像されるところだけど、実際は主人公の男のダメな生活が時々の幻想描写と共に描かれる、ブラック・ユーモア的な肌触りの小説。
あまりにもダメで、笑えて楽しかったです。その分ラストの哀しみも引き立ったりで、なかなか周到。
評価はＢ−。

奇憶 (祥伝社文庫)