黒川博行『二度のお別れ』創元推理文庫

ネタバレ注意。
「銀行強盗事件に端を発した身代金誘拐事件」を描く、《大阪府警捜査一課シリーズ》。
ストーリィも叙述も、字面の多くを占める関西弁での台詞も、スピーディでテンポはいいけど、残念ながらそのスピード感がそのまま、小説としての味わいの欠如に繋がっているような気がした。ほとんどプロットそのまま取って出しのような印象の小説。マメちゃんのキャラの小気味よさなんかは評価するにやぶさかではないんだけどね…。
ラストの真相開示も拙速で、そんな捨身の計画だったんならあんなに寄ってたかって必死こく必要なんか全然なかったやん、なんて醒めてしまうし。まだ島荘の手紙オチのがいいわ。
評価はＣ。

二度のお別れ (創元推理文庫)