ネタバレ一応注意。
表題の長編は翻案ものの本格。他に少年もの「青銅の魔人」「虎の牙」の二長編と、戦後初の短編「断崖」収録。
まあ読むべきはやはり表題作か。シチュエーション、トリック、ストーリィテリング、いずれも無理がなく、バランスも取れて安定している…ってまあ、翻案だし当たり前だけど。ただ少年ものの無理筋グダグダっぷりに辟易しつつなので、それがとても貴重なものに見えてしまうなあ。
やはり短編作家だとは思うのだが、久々の「断崖」もリハビリ的な小品。本としてのコストパフォーマンスはよろしくないな。
評価はC。
- 作者: 江戸川乱歩
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2004/02/10
- メディア: 文庫
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