手塚治虫「BLACKJACK 1・2」秋田文庫

言わずと知れた漫画史殿堂入りの名作。
kindleアプリでタダだからっつって某医療マンガ読んでたら、そのあまりの独善性…主人公ひいては作者の…が不快極まりなく、タイトルにその名を引用するのも許し難くおこがましいと思って二巻までしか読めなかったので、原典に立ち返りました。
さて、なんつーか今さらですが、問答無用で傑作です。この選集が傑作選であることを差し引いてなお。デザイン性の高い洗練された画、ヒューマンな主題とクリティシズムの昇華、そしてピノコの反則的なかわいらしさ。「すべてがある」この作品の後で、医療マンガというジャンルはその意義を見出すのすら難しいと思われるほど。前述の某作品のようにリアリズムぶるか、某作品*1のように劇画調をギャグの域にまで暴走させるか。
ベストは「めぐり会い」かなー。臨界振り切っていい話だわ。

Black Jack―The best 12stories by Osamu Tezuka (1) (秋田文庫)

Black Jack―The best 12stories by Osamu Tezuka (1) (秋田文庫)

Black Jack―The best 14stories by Osamu Tezuka (2) (秋田文庫)

Black Jack―The best 14stories by Osamu Tezuka (2) (秋田文庫)

*1:思い返せば潔いまでのオマージュだな。