ネタバレ特になし。
戦後の推理小説専門誌、「黒猫」「トップ」「ぷろふいる」「探偵よみもの」からの選集。
「本格」としての完成度はさておいて、「探偵小説」というものの持つ夢幻/妖美の浪漫性という意味においては、雰囲気のある作品揃い。天城一、香山滋、角田喜久雄といったあたり、この世代の作家に明るくない俺でも名前を知ってる「大家」の作品は、やはりさすがだなあという感じでありました。
しかしそれらとはまた違った意味で…祖父の本棚に、なんだか愛想のよくない感じで並んでた「大衆小説」の作家というイメージで…名前を知ってた島田一男*1の「芍薬の墓」がベスト。このクローズド・サークル夢幻譚の妖しくておどろおどろしくもどこか滑稽なイメージ、すごく魅力的なオリジナリティだと思いました。イメージ覆されたわ。
評価はB−。
- 作者: ミステリー文学資料館
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2002/11/12
- メディア: 文庫
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