折原一『蜃気楼の殺人』光文社文庫

ネタバレ注意。
時系列を錯綜させたある「旅行」の風景にトリックを忍ばせた、折原流トラベル・ミステリ。
他の作品の解説で、この作品のどんでん返しが称揚されてたような記憶があって、折原作品にしては期待を持って読んだのだけど。
二つの「旅行」と「事件の捜査」を絡めて謎とサスペンスを盛り上げる手つきはなかなかのものだったけど、どんでん返しに関してはどこがそれにあたって、カタルシスを感じればいいのかすらいまひとつ…。
全部予測の範囲内で進展し、二時間ドラマ的なサスペンスものとして読むのに終始してしまった感じ。
評価はC。

蜃気楼の殺人 (光文社文庫)

蜃気楼の殺人 (光文社文庫)