『J.エドガー』

@109シネマズ名古屋
FBIの代名詞にして、悪名高いJ.E.フーバー初代長官の伝記映画。
その公私に渡る独善性と欺瞞、権力志向が容赦なく描かれているにも関わらず、ラストに至っては静かな感動が込み上げてくる、このあたりはさすがイーストウッドという感じでしょうか。ヒューマニズム、などと言ってしまうと安っぽいけれど、ディカプリオの熱演、D.L.ブラックの脚本も含めて、生きられた人生に対するリスペクトが感じられる質実な作品でした。起承転結がうまくついていないような印象は否めませんが、まあ伝記映画だからね…。
トルソンの苦しい声の下から、カットバックで欺瞞が晒されるところが個人的には小気味いい演出でした。また単純な話、アメリ近現代史のお勉強になるのも嬉しいところです。