The Clash 『LONDON CALLING』

名盤を聴こう企画。
クラッシュの3rd、説明不要のロック史上のマスターピースです。前にカーラジオから無闇にかっこいい英語のロックが聞こえてきて、終わったらDJ(いや、ミュージック・ナビゲーターか)が「The Clashで「LONDON CALLING」」とかウィスパーするもんだから、買っちゃいました。もちろん以前から知ってはいて、犬式三宅洋平フジロックでのエピソードとか勝手に胸を熱くしてもいましたが、まともに聴くのは初めてです。
で、クラッシュというバンド、ジョー・ストラマーというフロントマンには、伝説的なパンク・イコンとしてのイメージが強かったのですが、パンク・ロックに想起されるシンプルさ、あるいは粗野さ、このアルバムに関してはそのイメージを覆して、多彩で豊かなロックが鳴らされています。
劈頭の表題曲「LONDON CALLING」こそ、シンプルでやさぐれたようなパンク・ロックだけど、それにしてもどこか妖美な暗さが漂っていて、それが僕が掴まれた理由でもあります*1。以降はロカビリーやジャズ、あるいはCMでよく聴いたようなポップなスカ、特に好きだった「LOST IN THE SUPERMARKET」のようなモダンな楽曲など、多彩な要素を取り込んで、その上カバーまでやって、パンクだから短いつっても質量充実の19曲。溢れんばかりのクリエイティヴィティ。
センセーションやラディカリズムではなく、単純に音楽としての充実によって、パンクがロック史上に刻みつけられているという事実には、やはり胸を熱くさせるものがあります。

london calling

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*1:「THE GUNS OF BRIXTON」も同傾向で好み。ギターも脱力系で良し。