三谷幸喜『古畑任三郎 1』扶桑社文庫

ネタバレ特になし。
脚本家自身の手になるノベライズ。ドラマ、好きでしたよ。たとえばこれとかこれとか。
でもやはり、ドラマで観てこそ、という感じではありました。演者の貢献はもとより、ホン自体が映像演出とそれゆえのコメディ性に大きく拠ったものであるのでしょうね。作者の自己分析の通り、小説として評価できるクオリティのものではないし、文字情報だけでは、何より「倒叙ミステリ」としての杜撰さが目に余るように思いました。特に「おめでとう、アリ先生」は杜撰も杜撰、どっからツッコめばいいか判らないぐらい。
文字情報と言えば、基本的なレベルでの校閲がされていないんじゃないかと思います。誤字脱字、明らかな日本語の間違い、気付いただけで四か所。編集はちゃんと仕事しようぜ。
強いてベストは「井口薫のレクイエム」かな。倒叙としてなかなか鮮やかな反転が用意されている。コレはもっかいDVDかなんかで観てもいいなあと思いました。
もう一冊あるので、そのうち読みます。
評価はC。

古畑任三郎〈1〉 (扶桑社文庫)

古畑任三郎〈1〉 (扶桑社文庫)