W.シェイクスピア/福田恆存(訳)『ヴェニスの商人』新潮文庫

ネタバレ注意。
家庭内読書会「古典的名作を読もう」企画、第二回課題本。
まあ「喜劇」として読めば、ポーシャの求婚者こきおろしっぷりとか、判決場面におけるグラシャーノーの調子こきっぷりとか、愉快ではあった。
しかしなにかを語ろうと真剣に読んでみても、ユダヤ人蔑視とか、「金・銀・銅の箱」場面に典型的に見られるアイロニーなど、大時代的な大仰さがまま見られ、うまくのみこめなかったというのが正直なところ。唯一事前に名前を知ってた文学史的有名キャラ、シャイロックさんに関しても、人格的な深みを感じられませんでした(訳者も言ってる通り)。
…単純に、「ポーシャかっけー」つって読んでいいんじゃないかと思うけど。
評価はB。

ヴェニスの商人 (新潮文庫)

ヴェニスの商人 (新潮文庫)