ネタバレ特になし。
教師を辞めた主人公が田舎に帰って、父の死の謎を追う「田園派」ミステリ。
「田園派」と銘打つだけあって、山梨の山村を舞台としているのだけど、そこにあるのは横溝的な禍々しさではなく、どこかほのぼのとした風情。素朴な人々との交流、ほのかに色を添える性的なおおらかさの描写、読んでいて心地いいです。
「本格」というにはプロット・ロジックの精密さが物足りないですが、楽しめるミステリではあるでしょう。
評価はB−。
- 作者: 岩崎正吾
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2003/08
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (3件) を見る