岩崎正吾『風よ、緑よ、故郷よ』創元推理文庫

ネタバレ特になし。
教師を辞めた主人公が田舎に帰って、父の死の謎を追う「田園派」ミステリ。
「田園派」と銘打つだけあって、山梨の山村を舞台としているのだけど、そこにあるのは横溝的な禍々しさではなく、どこかほのぼのとした風情。素朴な人々との交流、ほのかに色を添える性的なおおらかさの描写、読んでいて心地いいです。
「本格」というにはプロット・ロジックの精密さが物足りないですが、楽しめるミステリではあるでしょう。
評価はB−。

風よ、緑よ、故郷よ (創元推理文庫)

風よ、緑よ、故郷よ (創元推理文庫)