BUMP OF CHICKEN 「HAPPY」

名曲。
orbital period』も「R.I.P.」も正直ほとんど惹かれなかったので、ぶっちゃけ惰性で買ったシングルなのでしたが。
…名曲やないか。
c/w「pinky」もダイナミックに走っててかっこいいけど、「HAPPY」の表現の精度はちょっと最近なかった衝撃。
大らかでポジティブな音とメロディ*1もさることながら、詞作に関しては一行たりとも無駄がない*2、洗練されて、でも感動の深い見事な達成だと思います。
どこも等価だと思うけど、一番涙腺への破壊力があった大ラスを。

消えない悲しみがあるなら 生き続ける意味だってあるだろう
どうせいつか終わる旅を 僕と一緒に歌おう
(「HAPPY」)

青臭いとは思いつつ、そのパーソナルな感情を自分に引き寄せて聴いてしまう。そしてその過程においては、こういう音楽を必要としている自分というものが、常に問い直されている。「pinky」における《あなたのためとは 言えないけど/あなた一人が聴いてくれたら もうそれでいい》というサビにも、そうした本質への自覚が仄見えていますが、こういう「核心」を清新に伝えられるというのは、藤原基央というアーティストの最もラディカルな才能だと思うし、バンプ・オブ・チキンというバンドがこれだけ長い間、そうしたロックンロールを鳴らし続けているというのは、本当に稀有で貴重なことだと、そういう確信を新たにさせてくれる二曲でした。
…まあ正直、久々に聴いたという思いもあれど。でもアルバムが楽しみにできるので、それが嬉しいです。

HAPPY

HAPPY

*1:《優しい言葉の雨の下で》のメロディライン、なんでか分からんけどドツボです。

*2:敢えて言うなら《Happy Birthday》のリフレイン。いまいち明快さを欠く。でも《Rest In Peace》よりマシかな。