柴田よしき『桜さがし』集英社文庫

ネタバレ注意。
男女四人京都物語。
幼馴染の四人の男女(と自由人の恩師)の、仕事や恋愛におけるあれやこれやを、京都の四季の風物(主に植物)に絡めてミステリに仕上げた連作短編集です。
「京都」という場所の必然性や、独特の魅力はあまり感じられなかったけど、「植物」という地味な題材でこれだけ手を変え品を変え、ミステリ作ったプロット構築の手腕は評価されるべきだろう。いつも言うことだけど、一定のレベルで読ませる小説は仕上げてくる職人芸である。
ロジックの処理や、キャラクタとドラマの造形、各所にヌルさはままあるし、特にまり恵の最終的な決着は「またフェミニズムかよ」と思ってげんなりしもしましたが。…いかんな、でもこれは先入観くさい…。
評価はC+。

桜さがし (集英社文庫)

桜さがし (集英社文庫)