ネタバレ特になし。
『眠り猫』の続編。タケに焦点が移って…んのかな。
軽やかなバイオレンス小説という見た目はいつも通り、シリーズキャラクタはもとより、新宿を牛耳る総会屋とか、その得体の知れない肉体派舎弟とか、キャラクタにもそれぞれ魅力がある。だけどこの作品の場合なんか、花村小説には珍しいことながら、小説としての構成要素でトゥーマッチに感じられるものがあった。端的に言うと、最初っからシモの度が過ぎます。ストーリーも会話も。
≪実はグッズプレス連載中、私はいったいなにを書いていたのかさえもよく記憶していない状態です。≫(あとがき、278p)なんて書いてるんだけど、マジだろこれ。なんかキメながら書いてたんじゃねーだろーな…。
そういう刹那性、非構築性はこの人の書くものの魅力ではあるけれど、この作品はちょっとバランスが取れてないなーと思いました。
評価はC。
- 作者: 花村萬月
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 1997/05
- メディア: 文庫
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (3件) を見る