朝倉卓弥『四日間の奇蹟』宝島社文庫

ネタバレ一応注意。
なんだっけこの新人賞。「このミス大賞」だっけ。よく知らん。
とりあえずミステリではない。なんつーかアレだ、「癒しと再生のファンタジー」とでもするのが正しかろう、と思ってたら、あらすじにまんま書いてありました。
で、その癒しと再生のファンタジー、描かれる「奇蹟」は、まあ端的に言ってどうでもいい類のものだ。メインプロットの類似が指摘されている作品はたやすく想起され、まあ映画化もされた某人気ミステリ作家の長編だろうが、そっちは未読なので*1その点についてどうこう言う気はない。
どっちにしろ、こういうさも感動してくれといわんばかりのストーリーには、辟易しこそすれ、感興をおぼえることは珍しいです。あとは文章、別に破綻しているわけではないんだけど、会話、地の文共に語りすぎ、描写過多の印象があって好ましくなかった。丁寧、と評価する向きもあろうが、俺にとっては、こまごまとなんだか煩い小説でした。
評価はC+。

四日間の奇蹟 (宝島社文庫)

四日間の奇蹟 (宝島社文庫)

*1:なんか映画はさわりだけ観た気がするな。広末広末。