ネタバレ特になし。
メインの事件は、名づけたり「双どくろ事件」。火葬場で棺の中にもう一個首が、って話。おどろおどろしさやケレン味を出そうと腐心してはいるようだけど、「謎」として巧く提出できているとはいい難いし、当然の帰結としてその後の推理、どんでん返しもスリリングなものとはなっていない。
エキセントリックな青年名探偵も、変人キャラとして立てようとがんばってはいるが、いかんせんクドいし、ダサダサのヒロインとのロマンス、その目線からの礼賛が足枷になってしまっている。
ケレンのある「本格」を、「名探偵」を使って書こうという努力はうかがえるんだけど、ごめんなさい、どうしても筆力が足りてないという印象でした。とっ散らかってると思います。
評価はC。
- 作者: 由良三郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1988/06
- メディア: 文庫
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