村崎友『風の歌、星の口笛』角川文庫

ネタバレ一応注意。
横溝正史ミステリ大賞受賞作は、ファンタジックなSFミステリ。正史のイメージからは掛け離れているが、ミステリならなんでもアリだな。乱歩賞より全然いいと思う。
地雷覚悟の部分はあったが、全体としては楽しく読めた。三つの物語を交差させて盛り上げるリーダビリティも、まとまりのいい文章も、新人としては高い水準にあるのでは。センチメントについていけなかったぐらいかな、瑕疵は。
『惑星を継ぐもの』は多分明確に意識されてると思う。真っ向勝負を仕掛けたであろうスケールの大きなトリックも、まあ本家ほどではないがある程度の納得とカタルシスは与えてくれた。
…歯切れが悪いな。
評価はB−。

風の歌、星の口笛 (角川文庫 む 10-1)

風の歌、星の口笛 (角川文庫 む 10-1)