ネタバレ注意。
薀蓄の題材的には興味のあるものだったので、物語の障害とはならず楽に読めた。
しかし、現実の事件の方に結構野心的な「因習」のプロットと「名前の暗号」という、共同体モノにおいて非常に魅力的なガジェットを持ってきていて、気合入ってるな、と思ったのだったが、「龍馬暗殺」との繋がりが弱くて、その点が惜しいなと思った。共倒れの感がある。せっかくの魅力的な共同体モノ、こっちに力入れて書いたら良かったのに。
書きぶりとしては、今までのこのシリーズよりもコメディタッチが前に出ているように思った。やっと持ち味を自覚し始めたか。
作品の評価はB−。
- 作者: 高田崇史
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/03/15
- メディア: 文庫
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