ネタバレ一応注意。
大学病院を舞台にした医療ミステリ。
専門用語を頻出させながらも、ユーモアを交えたキレのいい文章とキャラ立てでぐいぐい読ませるリーダビリティは一流と認めざるを得ない。
非常に「書ける」人だとは思うのだが、あまりにも筆が走り過ぎで、自分自身それを抑制しきれていない部分が目に付いた。中盤以降はそれが顕著で、白鳥という探偵キャラが典型。イタすぎやしないかね、このキャラ。
トリックとロジック、つまり「ミステリ」としての根幹部分が弱いのは許容できる。この作品はまず「エンタテインメント」だろうから。しかし真犯人解明後の「敗戦処理」など、作者の盛り上がりに読者である俺が置いてけぼりを食らうシーンが多かった。田口が目立ってた前半部分は面白かっただけに、後半のテンションインフレが残念でした。
なんか作者顔出しでメディアに出たら売上げ落ちたらしい。よく考えようね。
作品の評価はC+。
- 作者: 海堂尊
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2006/02/04
- メディア: 単行本
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