今邑彩『赤いべべ着せよ…』角川ホラー文庫

ネタバレ注意。
ある地方都市での連続児童殺傷事件を描くホラー。
超自然要素が絡まない、どちらかと言うとスリラの手触り。原題は「通りゃんせ殺人事件」とかってアレなタイトルらしいし。
一定のリーダビリティと、地方都市の共同体における「厭な感じ」…排他性や同調圧力…が描けているのは認められる。でもそれだって手垢つきまくりの題材だし、ホラーとしてもミステリとしても中途半端な印象は拭えなかった。真犯人の提出も、プロットそのままなぞってる感があって、意外性と説得力はうまく演出できていないように思った。
評価はC。

※ホラー文庫版のデータがないので、書影は中公文庫版で。