山田寛『ポル・ポト<革命>史』講談社選書メチエ

ネタバレ特になし。
タイトル通り、クメール・ルージュを中心にカンボジア現代史を浚った本。著者は当時東南アジア特派員だったジャーナリストで、その後転じて大学の先生だって。
まずは手に取りやすい概説本を、ってことだったんだけど、その期待においては充分なものだったかと。「革命」の前後を中心に、歴史のダイナミズムは理解された。しかしアメリカって国は世界中でヘタこきすぎやろ…。
しかし正直、インスピレーションて意味では見出しにくかったのも事実…キュー・ポナリーはちょっと面白そうだったけど、列伝的な意味では深度に物足りない部分がある。ただ、何が確定的な事実であるのか、各人の思惑となされる証言は錯綜の一途で、それこそ「闇の中」である以上、こういう書き方にしかならないのはやむを得ないのだろうとは思う。
評価はB。

ポル・ポト〈革命〉史―虐殺と破壊の四年間 (講談社選書メチエ 305)

ポル・ポト〈革命〉史―虐殺と破壊の四年間 (講談社選書メチエ 305)