ネタバレ一応注意。
ヒトラー・ユーゲントからナチスSSの青年将校へ。主人公カールを中心に描かれる、ドイツにおける第二次大戦史。
新刊もそっち方面だったみたいだし、代表作『死の泉』もそうだったが、この作家にとってドイツという国はライフワークとして描くべきなにかを持っているらしい。
しかし。序盤でこそ少年同士の同性愛など「らしい」耽美性が見受けられるが、全体的には硬派な戦記小説。力作であることには違いないのだけれど、俺が皆川博子という作家に求めているもの…幻視者としての資質…は、この作品において表現されるべきものではなかったのだろう。
作品の評価はC。
- 作者: 皆川博子
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