『時効警察 DVD-BOX』

会社の先輩に借りました。
レギュラ放送はなんとなく「面白そうだな」とは思いながら見逃すことが多くて、こうやって改めて全九話を観たわけですが、感想としては…まあ高校の頃ならハマっただろうな、と思った。いい加減年もとってきて、この全編に漂うサブカル臭がなんとなく居心地の悪いものに感じられてしまう部分がありました。岩松了とかケラとか、興味は非常にあった演劇人のホンではありましたが、このフォーマットのかっちりしたドラマの枠だけで分かるものの方が少ないのかな、と。
キャストについて。オダギリは基本的に好きだけど、麻生さんはテレビで観るとなんか違和感があると思う。ましてコメディエンヌとしての演技は。二話ゲストの、なんだかくすんでしまった池脇のちーちゃんが切なかった。*1その一方で六話の逃亡犯の娘役、吉高由里子さんという新たな原石を発見。彼女の名前というか、俺が彼女を売れると云っていたことを憶えておいていただきたい。
一番笑ったのは八話のロシア語ネタだが、*2完成度では園子温の手になる四話が図抜けている。シリーズのフォーマット、また「二時間ドラマ」という枠組みを作品内に取り込み、有名トリックの伏線として実に効果的に使っているし、それがまた連環的に作品のプロットに見事な反転をもたらしている。永作さんのキュートさに目が眩んでいるわけではない…たぶん。

時効警察 DVD-BOX

時効警察 DVD-BOX

*1:最高の輝きはやはり『大阪物語』だったな。

*2:二話の片桐はいりの怪演とか、七話で爆弾のくだりが完全に無意味だったのにも笑った。鳥肌はトゥーマッチ。